市川染五郎と元宝塚トップ柚香光が親子役「二人にしかない親子関係を作っていける」舞台『ハムレット』始動

2026.2.26 12:30

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市川染五郎、當真あみ、石黒賢、柚香光

2026年、シェイクスピアの四大悲劇の一つであり、人間の苦悩を深く描いた傑作『ハムレット』に新たな息吹が吹き込まれる。5月からの東京公演を皮切りに上演される本公演の製作発表記者会見が2月24日に行われ、主演の市川染五郎をはじめ、當真あみ、石黒賢、柚香光ら豪華キャストが登壇した。世界的演出家デヴィッド・ルヴォーが手掛ける本作への意気込みや、初顔合わせとなった互いの印象、それぞれにとっての挑戦となる『ハムレット』への想いが語られた。

デンマークの若き王子ハムレットを演じるのは、新時代の歌舞伎俳優・市川染五郎。祖父・松本白鸚、父・松本幸四郎も演じてきた大役に、ストレートプレイ初出演にして初主演で挑む。染五郎の右手の薬指には、祖父・白鸚がかつてハムレットを演じた際に着けていたという指輪が。「本番でも着けられたら着けたいなと思って譲ってもらいまして、お守り代わりのような感じで。今日も身につけております」と、祖父から直接受け取った大切な品であることを明かした。経験者である祖父と父からのアドバイスについて問われると、「祖父からも父からも、最後試合のシーンがあるんですけれども、そのシーンのためにフェンシングを習ったそうで、『フェンシングやらなきゃね』っていうことだけ言われました(笑)」と会場の笑いを誘いつつ、演出の違いによる新たな解釈への意欲を覗かせた。

市川染五郎の写真

ハムレットの恋人・オフィーリア役を演じる當真あみは、本作が舞台初出演。「1日1回頭に思い浮かべるぐらい、ずっと緊張というか、これをやるんだっていうことが頭の中にあった」と初々しくコメント。さらに「以前ドラマでご一緒させていただいた上白石萌音さんに舞台をやるんですってお話をしたら「ほんとに楽しんで」とおっしゃっていただいて。「緊張もすると思うけど、そんな空気も含めてすごく楽しいと思うから、ガチガチに固まらず、いろんなことを柔軟に受け止めて楽しめたらいいんじゃないかな」って言われました」とエピソードを明かした。そんな當真に対し、染五郎は「本当に透き通るような透明感。もう後ろが見えるぐらいで。そこにまず圧倒されました」と絶賛。當真もまた、染五郎について「ずっと一つの物事に向かって続けられている姿と、それを柔軟に変えていく多様性が本当に素晴らしい」と敬意を表し、同世代のキャストとして刺激を受け合う様子を見せた。

當真あみの写真

ハムレットの母・ガートルード役を務めるのは、元宝塚歌劇団花組トップスターの柚香光。初のストレートプレイ出演となる。「宝塚を卒業してから常に剣を振る役が多くて、鬼になったり、後に王になる女子高生になったり。今回は全くガラッと雰囲気が変わって、ちょっと背筋がピンと伸びるような舞台になります」と語り、「お話を伺ったときはもう本当に「ヒヤー!」って。本日皆様とお目にかかって、こんなに素晴らしい方々とご一緒できるのは本当に光栄でありがたい、なんて幸せなことなんだろうと。私も全身全霊でぶつかってガートルードという役を皆さんと一緒に舞台上で作っていきたい」と決意を見せた。染五郎との親子役について「宝塚歌劇で女性だけの中で男性を演じてきた人と、歌舞伎界でご活躍されてる染五郎さんで親子役をさせていただけるというのは、そこに何か特別な、二人にしかない親子関係というのを作っていけるんじゃないかな」と期待を寄せた。

柚香光の写真

父の敵となる叔父・クローディアス役の石黒賢は、「まさか私がシェイクスピアの作品に出演することになるなんて、思いもしませんでした」と驚きを口にする。初めてのシェイクスピア、初めての外国人演出家との仕事に「どんなことになるのか分かりません」と率直に語り、シェイクスピア作品について「敷居が高いもの」という印象があったと明かしたが、「人間のその本質的なことを端的に突いているという意味において、読み物としては当然面白いし、この活字で書かれたものを今度は舞台という3Dに立ち上げたときに、我々は非常に重い責任を負ってるなと。改めて身が引き締まりました」と熱を込めた。

石黒賢の写真

公開されたポスタービジュアルについても話が及んだ。曇り空の下、荒波が打ち付ける岩場というシチュエーションで撮影されたビジュアルに、染五郎自身も「これハムレット?」と驚いたという。「一つのところにとどまっていない感情といいますか、どんどん揺れ動いていく感情っていうものをすごく表したポスターになった」と分析。石黒も「イギリスって伝統がある国なんだけど、すごく新しいもの、進取の気質に溢れた国。常にぶっ壊して新しいもん作っていこうぜっていう気概を感じた」と、ビジュアルから伝わる「新しいハムレット」への期待感を語った。

市川染五郎の写真

最後に染五郎は、本作について「若者の苦悩、葛藤というよりは、あくまでもデンマークの王子として生まれた宿命、生まれ落ちた環境、その中でどう生きればいいのかというところに悩み、葛藤する男の話」と自身の解釈を披露。「生きた演劇、現代に生きる『ハムレット』を目指して努めたい」と力強く締めくくった。

市川染五郎の写真

舞台『ハムレット』は、2026年5月9日から30日まで東京・日生劇場、6月5日から14日まで大阪・SkyシアターMBS、6月20日から21日まで愛知・名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)大ホールにて上演される。

公式HPはこちら 

取材・文:entax編集部

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