巨人・田中将大『日米通算200勝』の真実～栄光から葛藤、再生、そして“魂の85球”へ。球界のレジェンドが明かす、プロ野球人生19年目の裏側～

9月30日、史上4人目となる日米通算200勝という偉業を成し遂げた田中将大投手。栄光の瞬間、そして名球会入りのセレモニーは、多くのファンの感動を呼んだ。しかし、この記録の裏側には、苦悩、葛藤、そして覚悟の“フォーム改造”があった。

その全てを、田中将大本人、そしてチームの内部カメラ、関係者の証言から徹底的に紐解く特別番組『田中将大～200勝への軌跡～』が、巨人軍公式動画配信サービス『GIANTS TV』にて11月1日（土）正午（予定）より配信される。本記事では、その特番の見どころを深く紹介する。

■崖っぷちからのスタート：「自分でもこのままじゃだめだと思っていた」

2024年は、田中投手にとって、まさに苦難のシーズンだった。2023年オフに右肘を手術し、プロ入り後初めて「勝ち星なし」でシーズンを終えた後、彼は大きな決断を下した。移籍先に読売ジャイアンツを選んだのだ。その決断が、名伯楽・久保康生巡回投手コーチとの出会いを生み、そして投手生命をかけたフォーム改造を決断させることになる。

番組では、球団カメラが捉えた苦悩の日々が赤裸々に映し出される。

田中将大投手と久保康生巡回投手コーチの写真 — 久保康生巡回投手コーチと田中投手

「肘もあるのか」「自分でもこのままじゃだめだと思ってましたし」と、田中投手が自ら語る体の異変と向き合った本音。久保コーチが目指した「縦回転」への修正は、長年染み付いたフォームを変える“魔改造”。しかし、田中投手は練習中に思わず「おかしい」「アホか！」と自分に苛立ちをぶつける場面も。

一朝一夕にはいかないフォーム変更の試行錯誤の日々。なぜ彼は、このタイミングで全てを懸ける必要があったのか？そして桑田真澄二軍監督の言葉「本物のアウトロー」とは何を意味するのか？彼の野球人生19年目にして、原点回帰を目指したその全貌が明らかになる。

■桑田真澄二軍監督が提案した「新たな投球術」

苦しみ、二軍での再調整を言い渡された田中投手に手を差し伸べたのが、桑田真澄二軍監督だ。桑田二軍監督は、日本での自身のイメージが「スライダー・スプリットが多い」と語る田中投手に対し、スピードではない「コントロールを磨く投球術」を提案する。

「見逃しのストライクが取れるようになると、本物のアウトローがいき始めているということ」──。

この桑田二軍監督の言葉が田中投手の胸に響き、彼は再び原点である、外角低めのコントロールに磨きをかけることになる。さらに、彼を担当するトレーナーも、“左足の弱さ”という意外な課題に着目。緻密な下半身強化が、どのように投球フォームを改善し、「本物のアウトロー」を実現させたのか。番組では今年8月21日、村上宗隆や山田哲人といった球界を代表するバッターを完璧に抑え込んだ復活の“神宮の投球”を検証し、その秘密に迫る。