広瀬すず「お芝居をしたという感覚があまりなかった」仲野太賀・広瀬すずが登壇『奥⼭由之オールナイト』イベントレポート

新海誠監督の名作アニメを松村北⽃(SixTONES)の単独主演で実写化した『秒速5センチメートル』の公開を来⽉10⽇(⾦)に控える気鋭の映画監督/写真家の奥⼭由之。その公開を⽬前に控え、2024年11⽉に公開され⼤ヒットを記録した⾃主制作オムニバス⻑編映画『アット・ザ・ベンチ』に関連した特別企画として、9⽉26⽇(⾦)にテアトル新宿にて⼀夜限りの『奥⼭由之オールナイト』が開催された。
上映前に⾏われたトークイベントに俳優の仲野太賀・監督の奥⼭由之が登壇。そして、俳優の広瀬すずがサプライズ登場し、会場からは驚きの歓声が沸き起こった。

この⽇のチケットは即完売。満席の会場内に奥⼭監督、仲野、そしてサプライズゲストの広瀬が登場すると、客席からはどよめきの声とともに⼤歓声が起きた。第1編と第5編の出演者が勢ぞろいするという貴重な機会となり、奥⼭監督も「この3⼈でトークイベントをするのは初ですよね。すごくうれしいです」と感慨深い様⼦を⾒せる。
仲野と広瀬とは⻑い付き合いだという奥⼭監督。ふたりに「この企画、いつ公開されるのかの⾒通しも⽴ってなかったのに、よく出てくれましたよね」と問いかけると、広瀬は「それは奥⼭さんだから」と即答。それには奥⼭監督も⼤喜びで、会場に向けて「聞きました?」と語りかけて、会場は⼤笑い。

仲野も「⻑い間、友⼈として奥⼭さんと接していて、いつか映画をつくりたいという想いは聞いていました。その奥⼭さんが映画を撮るとなれば、断る理由は無いし、素敵な作品になるだろうなという確信がありました」と全幅の信頼を寄せている様⼦だった。
さらに奥⼭監督の演出について仲野が「これまでは写真家の奥⼭さんと、友⼈としての奥⼭さんしか知らなかったけど、監督として演出している様⼦が、本当になんの違和感もなくて。⼀切不安を感じなかったです。すごく堂々と我々の芝居を引き出してくれて、導いてくれました」と振り返った。

広瀬も「奥⼭さんはやりたいことへの妥協をしない情熱があって。その熱量でしっかり伝えてくれるから、なんか嬉しい気持ちになるんです。それと、この作品を作る前から知っている関係性があるというのも⼤きく。普段の映画現場では信頼関係を作っていくことから始めるけど、今回はそれがある上で現場に⼊れました。あとは、現場に⼈が少ないから⾔葉で交わす数が多くて、そこの温度感もなんかすごく優しくて。居⼼地がとても良かったですね」と続けた。
劇中では、ふたりの後⽅にカメラを据えて撮影を敢⾏。その意図を奥⼭監督は「役柄が⾒ている景⾊と、演じている俳優⾃⾝が⾒ている景⾊を⼀致させたかった」と説明すると、「後ろから撮っていて、表情が⾒えにくいからこそ、逆に想像できるものがある気がしていて。それを成⽴させることができる俳優は、なかなかいないと思います」とふたりを絶賛。

広瀬も「お芝居をしたという感覚があまりなかった。きっとこの会話劇の温度感も含めて、⾃分に近かったんだと思います」と述懐。仲野も「⽣⽅美久さんの脚本が、僕たちに当て書きで書いてくださったということもあって、感情の流れをすごく丁寧に拾いあげてくれていました。演じてみて、なんだかものすごく⾃分に近い感覚で、⾃然体でいれた。本当に⾃分のまま役に⼊っていけたというのは、結構不思議な感じでした」と続ける。
この⽇は終始和気あいあいとした様⼦でトークを繰り広げた3⼈。会場の観客も終始笑顔で、⼤盛り上がりのうちにトークは幕を下ろした。