森田剛「愛情を込め全力で駆け抜けたい」主演舞台『ヴォイツェック』9月23日に開幕 

2025.9.22 17:55
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パルコ・プロデュース2025『ヴォイツェック』が、東京芸術劇場プレイハウスにて9月23日(火・祝)に開幕する。 

ドイツの劇作家ゲオルク・ビューヒナー(1813~1837)が遺した未完の戯曲『Woyzeck』。今回の脚本は、2017年にロンドンで上演され、高い評価を集めた、ジャック・ソーンのアダプテーション版。 

主演ヴォイツェック役は、舞台『台風23号』や『FORTUNE』など多くの舞台作品で主演を演じてきた森田剛。初の小川絵梨子演出作品で暗い過去に苦しみながらも愛を求めるヴォイツェック役に挑む。ヒロインのマリー役にドラマ『恋愛禁止』で主演を務め、話題作への出演が続く伊原六花。ヴォイツェックの母親とマギーの二役に舞台『Bug Parade/バグ・パレード』などに出演し、変幻自在の演技を見せる伊勢佳世。ヴォイツェックの同僚アンドリュー役に、劇団イキウメの看板俳優で、舞台『ずれる』などに出演の浜田信也。大尉役に日本アカデミー賞受賞作『侍タイムスリッパー』で存在感を示した冨家ノリマサ。医者役にミュージカル『イリュージョニスト』や大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演し、マルチな活躍を続ける栗原英雄。個性溢れる実力派キャストが、政治的緊張と心理的葛藤の渦巻く冷戦下のベルリンに生きる人々を演じる。

コメント
・小川絵梨子(演出)
無事初日を迎えられることを大変にありがたく幸せに感じております。
素敵なスタッフ・キャストの方々と作り上げてきた、この「ヴォイツェック」の世界を、ぜひお客さまに楽しんでいただけましたら大変に幸いです。

・森田剛
ついに初日を迎えます。1か月の稽古はあっという間でした。今はとてもワクワクしています。演出の小川さんからたくさんの素敵な言葉をいただきました。「一緒にやっている仲間を信じる、自分では何もしない、相手に委ねる」と言っていただき、その言葉の通り相手を100%信じて、自分も信じてもらって、そうすることで役として生きていきたいです。開幕直前の今、ヴォイツェックという役への印象はすごく変わっていて、猛スピードで生きている感じがしています。日々稽古の中で発見し、日々進化しています。

ヴォイツェックは人間が誰しも持つ「愛したいし、愛されたい」、「認められたい」、「自分の居場所を探したい」、「諦めない」という強い気持ちを持っていて、彼のそういう部分に対して憧れますし、共感しています。皆さんと稽古している時間が愛おしい宝物になりました。愛情を込め全力で駆け抜けたいですし、それがお客様に伝われば良いなと思っています。とにかく今は本気でやるだけです。是非観に来ていただいて、その場で起こっていることを純粋に感じていただきたいです。楽しみにしていてください。

・伊原六花
開幕してみないとわからないことがたくさんありますが、演出の小川さんを始めとしたスタッフ・キャストの皆さんと今日まで作り上げてきました。マリーとしての日々を必死に生きようと思います。小川さんからは宝物のような言葉をたくさんいただきました。いただいた言葉を頭の中でグルグルと考えていたのですが、「(舞台上に)出てしまえば、私の言ったことは“うるせぇバーカ”くらいに思ってもらって良い」とも言われて、それで一気に肩の力が抜けたかなと思います。実際に舞台に出て感じたものをビビッドに出したいと思います。最初に台本をもらってから今の印象と、パッと受ける印象は変わっていませんが、稽古を重ねるうちに解像度が高くなっていったような気がします。

今回演じるマリーは、感情を素直に表現して生きている人です。自分もそのように生きていきたいと思っているので、生きている時代や環境は違いますが、そういった部分はマリーにすごく共感できます。「愛」についても色濃く描かれている作品ですが、私の愛してやまないものはお家にいるモモンガとトカゲです!(笑)

・伊勢佳世
モンスターのような難しい作品ですが、皆で一緒にここまでこられたことが嬉しいです。これから本番の幕が開くのが楽しみです。稽古では、小川さんから目から鱗が落ちるような言葉を多くいただきました。皆さんと重なりますが、「相手を信じて相手に反応するだけで良い」という言葉を信じ、その場で起こることを楽しんでいました。

またヴォイツェックの母親役は台本に台詞が少なく、森田さんを見ながら母親像を想像して膨らませていったので、森田さんの演技が変わる毎に影響を受けてつくりあげていきました。森田さんだけでなく、二人の子役も演じているヴォイツェックを、とても愛おしく感じています。私自身は森田さんとは年齢があまり変わらないのですが、今お話を聞いていて、母親の気持ちになってしまい、泣きそうになりました。

・浜田信也
一緒に作品に取り組む仲間たちが素晴らしく、毎日の稽古も楽しく朗らかに過ごしていました。本番も楽しみです。演出の小川さんからいただいた、「1人で頑張らずに相手に委ね、舞台上で時間を過ごし、その場で生きていくことを大切にしてほしい」という言葉が印象に残っています。稽古を重ねていく中で、自身の役の印象が180度ガラっと変わりました。

森田さんと一緒のシーンが多いので、森田さんの演技にも影響を受けていきました。自分の弱さや人に見せたくないコンプレックスに目を背けて楽しく生きていこう、という気持ちは誰しも持っていると思います。そこが自分の役と共感できるところです。
(作品にちなんで)愛してやまないものは、休憩と休日です。心が一息つく時間にふとアイデアが浮かんでくるので、大事にしていきたいです。

・冨家ノリマサ
稽古中から主演の森田さんが背中で引っ張ってくれました。素晴らしい、震えるほどの作品に仕上がっていると思います。演出の小川さんからは「とにかく相手を感じる」という言葉をかけてもらったので、それを頭に刻んでいます。稽古場ではカンパニーの仲がとても良く、休憩時間が癒しでした!

最初に台本をもらって読んだ時はなかなか理解が及ばず、「なんだこれは…」と思いました。この物語の中で自分という歯車がどのように動けばいいのかイメージが湧かなかったのですが、稽古を重ねるうちに印象が変わっていきました。1か月経ってやっと見えてきたものがあります。僕はささやかな愛を日常の中で探すのが好きで、誰かと意思疎通ができた時に小さな愛を感じることがあります。そんな些細な愛も積もらせていけばいつか大きな愛になるのではないかなと思って、日々を生きています。

・栗原英雄
怒涛の舞台稽古を皆で乗り越え、ついにここまできたなと感じています。小川さんには毎回ハードルの高いアドバイスを頂きました。最初に台本をいただいた時は脳で考えて悩んでいたものが、稽古が進むにつれて人物が立ち上がり交わっていき、物語が流れていき、次第に感覚的なものが分かってきました。自分の役はマッドサイエンティストのような人で(笑)、共感できる部分は少ないのですが、その行いが正しいかどうかは別として、この時代を必死になって生きようとしているところは、現代を生きる我々にも通じると思います。

(作品にちなんで)愛してやまないものは人生です。一瞬一瞬を大切にしていきたいなと思っています。そしてこの稽古場に来るのが本当に楽しくて楽しくて…スタッフ、出演者の皆さんを愛しています。

 撮影:細野晋司 

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