カズレーザー 数億円をダマしとられたケースも…マッチングアプリで被害拡大 ロマンス詐欺の実態と巧妙な手口とは
2025.6.18 10:00
カズレーザーがMCを務める『カズレーザーと学ぶ。』が17日に放送された。今回は『海外特殊詐欺グループに潜入取材!犯罪マニュアル初公開』ということで、日本人を狙った巧妙な詐欺の手口や、背後に潜む犯罪組織の正体に迫った。通称「ロマンス詐欺」と呼ばれる、近年マッチングアプリを中心に被害が拡大している詐欺被害について解説されたパートでは、実際の被害例からその手法が紹介された。
ロマンス詐欺についてノンフィクションライターの水谷竹秀氏は、「犯人が別人になりすまして相手に恋愛感情を抱かせて、お金をダマしとる」と特徴を挙げ、マッチングアプリ等を介したオンライン上でのやり取りのみで行われると話す。数千万~数億円をだまし取られたケースもあるというが、犯罪ジャーナリストの多田文明氏はその具体的な手口について、3つのステップに分け説明を始めた。

「最初のステップは1対1の関係に持ち込む」という多田氏。犯罪者はマッチングアプリ等で、海外国籍で魅力的な外見を持つ人物になりすました、まったく偽物のアカウントを使って接触してくるという。“獲物”を見つけると、相手に他の異性との関係性を断たせるように仕向けるといいい、実際に詐欺被害にあった女性の場合、詐欺師から“私は多くの人と交流するのが好きではありません。だから今(マッチングアプリを)退会するつもりです”というメッセ―ジが送られてきたのだとか。不特定多数の相手と出会えてしまうサービスだからこそ、相手以外とは連絡を取っていない“フリ”をして誠実さを装い、相手にもサービスを退会させることでロマンスの沼に引きずりこむのだそう。
1対1の関係に持ち込んだあとの、次のステップに多田氏が挙げたのは、「情熱的な愛情表現」。実際に詐欺師から送られてきたメッセージを見てみると、“ダーリン(詐欺師自身)が王子ならハニ(ハニー=ターゲット)は城の中で一番美しい王女に違いない。ダーリンは城門の外に来て、ハニを連れて去る”といったような連絡や送られてくるプレゼント等によって、相手が実際に存在していると信じて夢中になってしまっている被害者たちは、簡単に騙されてしまうとのこと。
明星大学の心理学部教授の藤井靖氏も心理学的な視点からその効果を認め、「要は自己開示ですよね。自分のことを相手に知らせて、真面目そうにも見えて、誠実そうにも見える人がこれだけ言ってくるんだから、これ本当じゃないかっていう、その物語に自分も組み込まれちゃう」といい、心理学的にも悪い意味で理にかなっていると解説した。

ここまで甘い言葉と巧みな演出で信頼関係を築き上げてきたうえでの最後のステップとして多田氏が挙げたのが、「2人の将来を意識させること」。結婚や日本での同居など、オンラインでのやり取りから現実的な将来像を意識させ、資産形成や不動産購入のための必要資金としてお金を要求。多額の金銭をむしり取ると説明された。